サラリーマンとして会社に雇われて働く場合、職種を決めて働く事がほとんどです。
転職サイトを見ても「職種から探す」という項目は必ずあるので自分の向き不向きがわかっている場合は経験がある場合は業種よりも職種を優先して探していく方が良いでしょう。
筆者は新卒で入社した会社は営業職でしたが1週間程度で退職し、それ以降は転職を繰り返しながらもずっと事務職に就いています。
男性で事務職って実情はどうなの?と思われる方もいらっしゃると思いますが、今回はその辺りも踏まえて男性事務職員にとって大切なものについて書いていきます。
※管理職以上の管理部門も事務職のカテゴリーですが、そういったものではなくあくまで若年層の方向けの内容です。予めご了承ください。
結論から先に書くと「男性事務職はPCスキル事務処理能力よりも対人スキルや調整能力が必須」です。
男性事務職にとってPCスキルよりも大切なものを書いてく
1.男性事務職の実情
男性の求人を国家資格が必要などの専門職を除いた職種で考えた場合、圧倒的に事務職よりも営業職の方が多いです。
当たり前に考えてしまいますが、男性は営業職、女性は事務職という慣習は根強いように感じます。
実際に転職サイトなどを見ても「事務職」として検索した求人は女性向けが多く、男性もOKなのはブラック企業にありがちな「事務総合職」という何でも屋しか出てこない事が殆どです。
男性が純粋な事務職として必要とされる会社は営業職が必要ないor存在しない会社である必要があります。
言い換えると「内勤の営業以外の仕事」というのがしっくりくるかもしれません。
実例から考えていくと分かりやすいです。
実例①:地方公務員(市役所・区役所)
一番身近な例は市役所などの事務職員です。
区民や市民の窓口として対応している方や各種手続きを行なっている方など様々な部署があり対外的な対応と内部的な事務処理を効率よく行う必要があります。
近年では窓口業務や一部の事務作業は派遣会社などの民間企業に一部外注していますが根幹については公務員の方が行っているので需要という意味ではなくなることは無いでしょう。
実例②:学校職員(大学職員)
これは筆者の知り合いの例です。
学校法人でも国立や私立がありますが、私立ですと民間の扱いになります。
営業職としてノルマはないものの、集客(生徒や学生)を効率よく行うためのスキームを考えたり、学校運営が円滑になるように内外への様々な働きかけや広報の業務など多岐に渡ります。
この他にも病院の事務職員も働き口としては候補に上がります。
2.PCスキルと大切なスキル
事務職である以上PCスキルがどれだけないといけないのか?とお考えの方も多いと思います。
求人票からは詳細までは判断できない以上、面接の逆質問などで聞き出す程度しか知るチャンスはありません。
個人的に感じたのは「会社の考え方やシステムに左右されるため一概に言えない」という事です。
業務内容によってはExcelの複雑な関数やAccessを使用することもありますし、専用のソフトを導入している場合もあります。
筆者の会社は仕事上で使うファイルは殆どがマクロが組まれていますが、ファイル破損や作成者が居なくなるなどのトラブルを考慮して敢えて自社の社員には作らせず外注しています。つまり現在の会社で必要なスキルは簡単な書類や表を作るための基本的な関数程度(vlookupやif関数など)です。
もちろんPCスキルが高いに越したことはありませんが、周りがPCの扱いに慣れていない場合は同じレベルに合わせなければ共有して作業を行う事ができないため基本的なスキルしか求められないこともあります。
あくまでも仕事をするためのスキルの一つなので、Officeソフトを全く使用しない環境であればスキルがなくても通用しますし、必要だとしても入社してから身につく事が殆どです。
そう考えるとPCスキルよりももっと大切なスキルがあります。
それは「対人スキルや調整能力」です。
事務職を経験して分かりますが、事務職ほど内外部との調整や根回しが必要になり、多数の人間と円滑にコミュニケーションを図る事ができる対人スキルが必要になります。
営業職であれば対人スキルのイメージが強いかもしれませんが、事務職も形は違えど対人スキルは必須です。
仕事をしているうちに対人スキルもある程度は身につきますが、根本的に苦手な方や空気を読むのが不得意な方、相手が何を求めているのか理解できない方は一定数います。
内勤である以上、周囲の仕事相手が同じ顔ぶれなので信頼関係を得られないと一気に孤立することもあります。
ただ、働く前から知っているだけでも準備や心構えを持つことはできるので、事務職を考えている方は念頭に置いていただければと思います。
3.事務職のメリットとデメリット
経験から、男性事務職であるメリットとデメリットを書いていきます。
メリット①:売上ノルマがない
事務職である以上、KPIなどの個人的な目標を立てることはあっても売上の数字に追われることは無いに等しいです。
銀行員や不動産の営業をしている知り合いや先輩の話を聞くと業務内容も人間関係もハード過ぎてまったく異なる環境です。
筆者は営業職に就いたことは無いのですが、他人と競争させられたりプレッシャーと闘いながら仕事で成果を出すことに向いていないと自覚しているので事務職が性に合っていると思っています。
メリット②:コツコツ積み上げられる
基本的に事務職はルーティーンやパターンで仕事をこなしていく事が殆どです。
もちろん、業務内容が多岐に渡る場合は数年、数十年かかってようやく全貌が見えはじめることもあると思います。
ただ、いきなり新しい環境に飛び込んだりぶっつけ本番の発表やプレゼンという類とは異なるので、コツコツ自分の中で理解を深めていく事で積み上げが可能な仕事であると思います。
一方で感じたデメリットもあります。
デメリット①:分かりやすい達成感や目標がない
メリットの真逆ですが、個人的な目標を立てさせられる事はあるとはいえ長期的な目標が見えない場合が多いです。
明確な指数や数字で結果が表せない場合は達成感も感じにくいのでモチベーションを継続するのが大変です。
仕事の量は増えていくのに給料が変わらないことに嫌気がさして手を抜く方や、仕事自体には慣れているけど刺激がなくてつまらないので転職する…といって辞めていく方も少なくないです。
仕事に慣れてから自分で考えてどうしていくか?が求められるのかもしれません。
デメリット②:給料面のインセンティブが存在しない
賞与の評価が良ければ多少の見込みはありますが、営業職のような明確な数字の成果がなくインセンティブは存在しないので頑張った分まとまったお金がいきなり入る…ということはありません。
知り合いや先輩の「インセンティブが出たから時計や車を買った」という話を聞くと正直羨ましいと思ってしまいます。
また、同年代の年収で比較するとそもそも営業職よりも低い傾向があるので家族を養ったり若いうちから一気に貯金したい方は注意が必要です。
4.今回の屍ポイント
今回は男性事務職員にとってPCスキルよりも大切な物について書いてきました。
まとめると
- PCスキルは必須ではない事もある
- 対人スキルや調整能力の方が重要
- ノルマがなくコツコツ積み上げられる
- 安定している分給料は低め
となります。
爆発的にお金が入ってくる事がない分安定しているのがいいところでもあるので、自分の性格やお金を貯める目標などと向き合って選ぶのが良いと思います。
筆者は他人と競争したり数字で結果を出し続けるのは苦手ですが、コツコツ地道にこなしていく事は苦ではないので合っているのだと感じています。
求人自体が少なくなかなか見つからない事も多いですが、事務職が向いているという方は是非チャレンジしてみてください。
合っていなければ他の職種を探せば良いだけです。
誰かの何かのお役に立てれば幸いです。